第4章 Innocent Love*孤爪研磨√
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「ありがとうございます、ケン。」
あの後視線を感じた2人は、逃げるように体育館から出てきた。
今は昨日のベンチにいる。
「いや、別に…」
沈黙が落ちる。
静寂に2人の鼓動は速くなっていった。
「ねぇ。」
「おれ、桃が好き…」
桃がその言葉に、孤爪の方を見るが、うつむいていてその表情はわからない。
「私も…好きですよ?」
今度は孤爪が桃を見るが、顔は暗くてよく見えなかった。
(桃は…)
(ケンは…)
((『幼なじみ』として、言ってんだろうなぁ…!))
両想いにもかかわらず、すれ違う2人だった。
合宿が終わるまで後1日。