第4章 Innocent Love*孤爪研磨√
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どれだけ悩んでも朝は来てしまうもので…
「桃。」
「ひゃ…!け、けけケン……!」
後ろから考えていた本人に声をかけられ、持っていたタオルの入ったカゴを取り落としそうになる。
「だ、大丈夫…?」
桃が驚いたことに孤爪まで驚いてしまい、オドオドと視線をさまよわせている。
「あ、うん!ケ、ケンはどうしたのですか?」
(…こんなんじゃ変ですよね……!)
まだ動揺しながらも、桃の頭は少しずつ冷静に今の自分を考えられるようになっていた。
「いや、ちょっとお願いがあって……」
孤爪は気まずそうに目をそらす。
(これじゃ……駄目だ)
孤爪は何かを決意すると、顔を上げた。
瞳に桃の不思議そうな顔が写る。
「あの、練習終わったら……自主練に付き合ってくれない?」
「えっ?」
(ケンが自主練?!)
珍しいことに驚きの声を上げる。
でもすぐに笑顔を浮かべ、
「もちろん!私でよければ…!」
頷いた。
(ケンがなにを思ってるかはわからないですけど……自分から練習したがるなんて、なんだか嬉しいですっ!)
練習が終わるのが楽しみになる桃だった。