第4章 Innocent Love*孤爪研磨√
「…っ!」
「ケンの髪も気持ちいいです。」
昨日とは逆に桃が孤爪の頭を撫でる。
「昨日撫でてもらって…落ち着いたから。だから、ね?」
だが桃の言葉とは逆で孤爪はこう思っていた。
(…落ち着ける、はず…ないっ!)
小さい桃が孤爪の頭を撫でようとすると、2人の距離は相当近くなる。
孤爪は顔が赤くなっていくのを感じた。
「…?どうしたの、顔赤いよ?」
間近で心配そうな顔をさせて、孤爪の心臓は高鳴っていた。
「あの…その……ちょっと、近い……」
「えっ、あっ!」
その距離に気がつき桃が慌てて離れる。
その顔も朱に染まり始める。
「あ、ええっと……おれもう行くね。」
おやすみと言うとそそくさと校舎の中に消えていった。
(……なんでドキドキしているんでしょう。)
先ほどまで目の前にあった孤爪の顔を思い出すだけで、鼓動が音を立てる。
(……なんなの?この気持ちは…)
桃は自分の気持ちがどんどんわからなくなっていくのだった。