第4章 Innocent Love*孤爪研磨√
「昨日、おれと翔陽が一緒にバレーやってたら…って言ってたでしょ。」
「はい…言いましたね。」
昨日の会話を思い出すように桃が頷く。
「やっぱりそれは無理だと思う。」
「え?」
「おれは翔陽に合わせられないから…」
桃がわからないという表情を浮かべると、いつも無表情な孤爪が苦笑いを浮かべた。
「翔陽はどんどん進化していく……もし一緒のチームだったら、そんな翔陽にどんどん置いてかれるし…」
息を深く吸い、言葉を続ける。
「それに…影山がいてこそ翔陽は輝けるし。」
「アハハっ!」
聞いていた桃が笑い出す。
突然のことに孤爪はびっくりしながら桃に顔を向けた。
「どうしたの急に…?」
何かおかしなことを言ったのだろうか?と考える。
「いえ…ケンもバレーが好きなんですね!」
「…なんでそう思うの?」
「だって、」
もう一度声を上げて笑う。
「自分でも気づいてないかもしれないけど、今ゲームオーバーした時みたいな…悔しそうで楽しそうな顔してましたもん!」
桃は相変わらず楽しそうな笑顔を浮かべている。
その笑顔に孤爪の顔は熱を帯びていくのだった。