第4章 Innocent Love*孤爪研磨√
「ケン!」
追いついた桃は孤爪の服の裾を引く。
「私も…ケンの力になりたい!……だから何か話したいことがあったら話してください!」
ぐっと真っ直ぐ見つめる瞳。
その瞳に孤爪は目が離せなかった。
「じゃあ…あそこで話す………」
孤爪が指さしたのは外にあるベンチだった。
(話してくれるんですね…!)
ベンチに向かう時、桃は少しの驚きとうれしさを持ちながら、そんなことを考えていた。
(…ケンが私に言ってくれたみたいに、私もケンの力になりたい……!)
そんな思いが桃の中に芽生えていた。
そして、それと共に疑問も。
(私がこういう風に思うのって…ケンだけ…?)
わからない気持ちを不思議に思うのだった。