• テキストサイズ

ハイキュー!! 夏恋

第2章 合宿前日


そんな騒がしい部室とは違い、片づけ終わった体育館。

そこにはバレーボールを持った桃が1人佇んでいた。

「合宿か…」

バレーボールをクルクル回す。

彼女はバレーボール漬けになる合宿に期待と不安を併せ持っていた。

(バレーボールは好き……でも、真剣なみんなの側にいていいのでしょうか?)

去年の記憶が蘇る。

(みんなキラキラと輝いてて…
  逃げた私には眩しすぎます。)

サーブトスのようにボールを投げる。

でもサーブを打つ気にはならず、ボールはそのまま落ちた。

(この場にいると、戻りたいと思ってしまう……そんなの出来るわけないのに…)

何度も見てきた頂の景色。
それが彼女の目に浮かぶ。

高校になってからも孤爪のトスを何度か打ったことはある。

(それでもあの高揚感は…ない)


あの眩しい場所に戻らなければ得られない高揚感。
それを思い出した彼女の身体は震えた。

/ 73ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp