第2章 幼馴染の彼と私
「いや、すぐ済むから別にいいや! バスケ部に、紫原敦って人いる?」
「確かにいるけど、それがどうかしたか?」
「あの……その、彼のクラスを、知りたくて」
「……どうして?」
「えっと、それは、その」
「紫原のクラスを知って、君はどうするつもりなのかな? まさか……」
「昨日! そう、昨日傘を忘れたところを彼に助けてもらって!! お礼が、したいだけなの……」
「……、はぁ。あ、そう。紫原なら俺と同じクラスだよ。今は購買に行ってていないけど」
「そうなの!? まだ昼休み前なのに?」
「あいつはそういう奴だよ。あ、噂をすれば」
「えっ?」
征十郎が後ろを面白そうに見つめているので、思い切り振り返ればうまい棒を加えた敦君が「あれ?」って言いながら立っていた。