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【黒バス】透明な君に恋してる

第8章 触れて離れて



 花火の時は過ぎ、夏もそろそろ後半戦! 遅い夏休みが訪れたわけなのですが、今年の私には穏やかな夏休みを過ごせそうにありません。

 電話の向こう側にいる人物に、私は今日何度目かの"No"を口にした。


「だからさ、私は合宿に行かないよ? バスケ部のマネージャーでもないんだしさ」

『お前は意外と頑固だな……お前が来てくれないと、死人が出るんだが?』

「物騒な言葉で私を来させようなんて甘いよ?」

『まぁ聞け。合宿での一番の問題は、飯だ』

「……ご飯は大事だね」


 あの征十郎が、こんなにも必死で訴えてくるのは正直意外である。


『マネージャーの桃井なんだが……物凄く料理が下手なんだ』

「……う、うん」

『何度か部で死にかけた奴が出たことがあってな……』

「えっと、一体何を食べたのかな……」

『丸ごと、レモンのはちみつ漬け』


 丸ごと……? レモンのはちみつ漬けって、殺人的な要素あったっけ? あ、でも丸ごとなのか……。

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