第2章 幼馴染の彼と私
黒子って腹黒いけど、こういう優しいところがちゃんとある。でも女子に人気って感じがないんだよね、なんでかな? かなりの美少年だと私は想ってるんだけど。
そもそも、彼を人はなかなか認識できない。謎すぎるぜ、黒子。
「そういえば、一体誰に渡したんですか?」
「あ……確か黒子と同じバスケ部だったよ! 敦君っていうの」
「えっ、紫原君に渡したんですか? ていうか……あの紫原君が、傘を……ね」
「黒子?」
「一体どんなお菓子で彼の傘にいれてもらったんです」
「ええ!? 別に私何もしてないよ!?」
「はぁ……そうですか」
黒子は少しだけ呆れたような、珍しい物でもみたような、複雑な表情を浮かべて読書を再開する。これ以上邪魔すると、彼のことだから怒りそうだから大人しく前を向く。
窓の外は、日差しが強そうでカーテンを閉めたくなる。
「(あれって……征十郎と敦君?)」
隣のクラスだった彼ら、体操着姿でグランドへと出ていく。ああ、次は体育なのかな……。