第2章 幼馴染の彼と私
「やっ、やあ黒子!」
「なんですかその気持ち悪い話しかけ方。本当に気持ち悪い」
「……なんで黒子って私に対してそんな真っ黒子なの?」
彼とは席が上下。私が彼の前で、彼は私の後ろ。いつの間にか、よく話すようになった。同じクラスならではだよね!
「で? 何かいいことでもあったんですか」
「あれ? わかっちゃう!? 有栖ちゃんのにっこりーんでわかっちゃう!?」
「気持ち悪いんで殴っていいですか?」
「うん、やめて」
黒子の本を読んでいる姿を眺めていると、彼からまた気持ち悪いものを見るような瞳でじろりと睨まれた。でも黒子の睨んでる目は全然怖くないのよ、めっちゃ可愛い!!
「何か失礼なことを考えましたか?」
「ううん! あ、それよりね。いいことっていうとね、昨日傘にいれてくれた人にお礼のお菓子をあげてきたんだ」
「へぇ……受け取ってくれたんですか?」
「そうなの! 今日一日私ご機嫌かも」
「じゃあ、ジュース奢って下さい」
「黒子が昼食一緒にしてくれるならねぇ」
「……わかりましたよ」
「やったね!」