第2章 幼馴染の彼と私
「なんか有栖ちん嬉しそうじゃない?」
「へっ!!? べ、別に普通だしっ」
「なぁにそれ。あ、一枚食べる……?」
袋から一つ、クッキーを取り出すと昨日と同じように「あーん」とクッキーを向けてくる。一瞬、何かの視線が気になって征十郎の方へ視線を向ければ、睨まれていたことに気付く。
「いっいいよ! 全部食べて! それじゃあ!」
「あ、ちょっとー」
敦君が引き留める声も振り払って、その場を後にする。
頬を手で押さえたら、少しだけ熱を持っている気がした。
教室に戻ると、美少年黒子が本を読んでいた。