Do not look back behind【進撃の巨人】
第2章 自分の足で
血が滲み出る手で瓦礫をどかして、愛する家族を探す。
無我夢中でただ手を動かす。
出来た隙間に手を伸ばした時、
横から伸びてきた手に腕を掴まれた。
「何してやがる……ハンナ。」
ゆっくりと顔を上げると険しい顔。
ハンナの顔には表情が無く、リヴァイの手を振り払うと再び瓦礫へと向かう。
「おい。こっちを向け。」
そう言ってリヴァイはハンナの腕を掴むと、体ごと自身へと向けさせた。
「…兵士…さん。」
「正気を保て。…ボロボロじゃねえか。」
「…兵士さん…。みんな目を開けてくれないんです。私…みんなが居ないと…空っぽで…。」
声が震えている。
ハンナの後ろには、数人の子どもが寝かされていた。
………主を失った腕もある。
「みんなを…探さないと…。待ってる。私の帰る場所はここしかないから…。」
焦点の合っていない目。
口は震え、手からは痛々しく血が流れている。
ずっと探し続けているのか。
少し痩せたようにも見える。