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【R18】夏だ!花火だ!夏祭りだ!

第1章 ホタル ※




「分かる? 私は男としても、女としても、愛してもらえないばかりか・・・」


メガネをそっと取り、茶色の瞳を悲しそうに揺らす。


「男としても、女としても、愛してあげることができないんだよ」


このペニスは勃起しない。
この膣は濡れない。

性行為をすることができないんだ。


ハンジは夜空を見上げた。


「だから私は巨人を憎みきれないのかもしれない」


彼らは生殖器が無い。
そんな自分と似た境遇なのに、なぜ生まれてくることができるのか。
羨ましいし、その真実を知りたくてたまらない。


「そもそも、私のこの不完全な体を見て、愛してくれる人などいない」


だからずっと恋愛を避けてきた。
愛さないように、愛されないように、ずっと気をつけてきた。

でも、ハヅキ。

君はあまりにも魅力的だった。
誰からも愛される君に、自分の中にある“男”もまた、愛してしまった。

君の笑顔に気持ちは癒され、
君との性交を想像しては、勃つはずもない陰茎を弄る。

そして、悲しくなるんだ。

ハヅキを愛することができない、自分の情けなさに。


「だから、ハヅキから私を好きだという言葉だけは、聞きたくなかったんだよ」


ごめんね、気持ちに応えてあげられなくて。
どうか自分ではなく、もっと相応しい男性と恋に落ちて。


「・・・・・・・・・・・・・・」


ホタルが光っては、消える。

ハヅキはその中で裸体を晒すハンジを見つめていた。

そして、ポツリと零れた言葉。


「綺麗・・・」


すらっとした体躯。
かろうじて膨らんでいる乳。
人差し指ほどの陰茎。


何故だろう、綺麗だと思った。
汚い欲望を感じさせず、ただ形を成すだけの性器。

ハヅキはそっとハンジの足元に跪くと、目の高さにあるペニスにそっと口付けた。

「ん・・・」

性感ではない気持ち良さが伝わる。
そして、柔らかい唇は上へと昇り、戸惑いを見せるハンジの唇に寄せられた。


「貴方の体は、不完全ではありません。特別な体なんです」


穢れなく、生まれ落ちたままの純粋さを保っている。




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