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【R18】夏だ!花火だ!夏祭りだ!

第1章 ホタル ※




「きっと・・・私が好きになったのは・・・」

「・・・・・・・・・・・・」


「ハンジ・ゾエという人間なんです」


無鉄砲だけど思慮深く、
時には非情な選択をするけれど、誰よりも優しく傷つきやすい。

そんな貴方に、心惹かれた。


「大好きです、ハンジ分隊長」


背伸びをして、呆然と動けないでいるハンジの唇にキスをする。

そしてハヅキもシャツのボタンを外すと、肌を露わにしていった。
一糸纏わぬ姿になると、すべてを包み隠さずにハンジと向き合う。


「これが私の体です」


まだ若く、柔らかそうな肌。
ところどころに立体機動装置の痣が残っている。


「できれば、女としてではなく・・・ひとりの人間として愛してください」


それは、普通の恋愛よりも難しいかもしれない。
体で繋がることができない分、心の繋がりでそれを補わなければ。

でも・・・


「ハヅキ・・・」


ハンジはゆっくりとハヅキの頬を両手で包み、キスをした。


「お願い・・・私を許して・・・」


綺麗な瞳に涙が浮かぶ。


「ハヅキと出会うことを知っていれば・・・私はなんとしてでも男の体を持って生まれてきたのに」


するとハヅキは辺りを舞うホタルに手を伸ばした。


「分隊長ならきっと知っていますよね。ホタルの寿命は、わずか数日だということを・・・」

「・・・・・・・・・・・・」

羽のようにしなやかな両腕に、無数のホタルが止まる。


「きっと私達の命もまた、長い歴史から見ればほんの一瞬に過ぎない」


「ああ・・・」


「だから、私達も思うがままに輝きましょう。命の火を燃やして、短い時間を思うままに・・・」


体など、心の器でしかないのだから。
そして私の心は貴方に愛されることを、こんなにも願っている。


「ハヅキ・・・」


ホタルが舞う。
その中で裸で抱き合う二人。



「愛している・・・」


たとえ短いものであっても、この命をかけて。


「分隊長・・・私も愛しています」



どのような運命が待ち受けていようが、

二人は今、とても幸せだった。


そしてその二人を祝福するように、ホタルがしんしんと光っていた。





第1章 『 ホタル 』 Fin.






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