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【R18】夏だ!花火だ!夏祭りだ!

第4章 夏祭り ※








それから、数日後の8月10日。
江戸の町は騒然となった。


第13代目高尾太夫が、身請けされた!!


大名の誘いにもなびかず、豪商が積む大枚にも目もくれなかった天下の花魁が選んだのは・・・



異国人の用心棒だった。


身請けの話を聞いた時、ハヅキは静かに涙を流したという。
そして、頭に刺したかんざしを外し、苦界の終わりにまるで少女のように無邪気な笑みを見せた。



「開門!!」


吉原と外の世界を隔てる、大門がゆっくりと開く。
ハヅキの最後の艶やかな姿を見るため、昼間から仲ノ町には人だかりができていた。

別れを惜しむ者、異人なんぞに買われたことを嘆く者、さまざまだ。

花魁道中とまではいかないものの、質素ながら美しい着物を纏ったハヅキは幸せだった。
7つの頃、もはや顔もうろ覚えとなっている父親に連れられて、ここにやってきた。
それから禿、振袖新造、新造と成長し、その間に花魁になるため徹底的に仕込まれた。

その間に・・・この大門から一歩も外に出たことは無かった。


しかし、もうこれで自由なんだ。


門が開き切ると、そこは光に溢れた眩しい世界。

その先にリヴァイが待っている。
客としてはたった一度しか会わず、床入りすらしなかったというのに・・・

一国が傾くほどの大金を払って自分を買ってくれた男。


「ハヅキ・・・」


吉原を出た瞬間、リヴァイに抱きしめられた。
そのまま深く唇を重ねられる。

いつにない激しさに戸惑いを感じながらも、そこまで求めてくれることが嬉しかった。

人の目を気にしない熱い抱擁だったが、江戸っ子には清々しいと捉えられたようだ。


「よ! ご両人!!」

「日本一の女だ、幸せにしてやれよ!」


次々と、歓声が上がった。





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