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【R18】夏だ!花火だ!夏祭りだ!

第3章 花火 ※





数カ月後。
季節は大きく変わった。


カモメが鳴く。

いま、海軍本部のあるマリンフォードは世界を震撼させる事件がまさに起こっている最中だった。
島中の電伝虫が、その様子を中継している。


「お前の父は!!! “海賊王”ゴールド・ロジャーだ!!!!」


世紀の大悪党、大海賊時代の父祖となった男の血筋が存在していたとは。

それが、心から愛した男だったとは。



ザザーン・・・

ザザーン・・・


初めて彼と出会った海岸。
世間はマリンフォードの行く末に気をとられているが、ハヅキはそこに立ち、海を見つめていた。

手にはいまにも消えようとしている、ビブルカード。


だけどまだ・・・ 生きている。


あなたは言っていた。
あなたの弟は、必ずこの島にも名前を轟かせると。

それは本当だったわね。



彼方から吹く風が波を作る。

波打ち際に、手のひら程度の大きさの小瓶が流れついているのが見えた。
拾いあげると、中に小さな紙が入っている。

どうやらメッセージのようなものが書かれていたようだが、長い間波に揺られていたせいか、滲んでしまって読めなかった。
しかし、きっと深い愛情が込められているのだろう。
何故か温かさを感じた、その時。



「白ひげが死んだ!!!!」


興奮気味の叫び声が、あちこちから湧き上がる。


ああ、時代のひとつが終わった。



ハヅキはそっと右手でビブルカードを握りしめ、下腹部に触れた。


エース・・・あなたは自分の血を残したくないと言った。
ゴールド・ロジャーの血を残したくない、と。


でも、私は違う。


ポートガス・D・エース、“あなた”の血を残したい。






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