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【R18】夏だ!花火だ!夏祭りだ!

第1章 ホタル ※




風車とは、東洋人に伝わるおもちゃのひとつだという。
憲兵団の資料室にあったものを、無理言ってもらってきたものだ。

何故か心惹かれたし、リヴァイも興味深そうに指で羽を回していた。

しかしハヅキはそれに目もくれず、じっとハンジを見つめる。


「貴方を好きだという気持ちを伝えるまでは、死にたくないと思いました」


これで、3度目。
もう逃げることはできない。


「あのね・・・本気で言っているの? 私はハヅキの直属の上司なんだよ」

「尊敬する上官に、こんな冗談をつくとお思いですか?」


切なげな笑顔を見せるハヅキに、胸を締め付けられる。


・・・ああ、まったくもう。


ハンジは溜め息を吐いた。


「ハヅキからだけは・・・その言葉を聞きたくなかったよ」


ハヅキ以上に、ハンジは切なげな顔をしていた。


「もう、どうあっても元の関係には戻れなくなるじゃない」


部下に告白されるのは、初めてじゃない。
今まではうまく断ったり、はぐらかしたりすることができた。

それは、彼女や彼らに対して、特別な感情を抱いていなかったから。
というか“普通に”大事な部下という存在だったから。


でも、ハヅキ・・・

君は・・・残念ながら、違う。


私は君を特別な目で見てしまう。


“誰よりも”大事な部下だ。

自分の真実を明かして傷付けたくないし、自分も傷付きたくない。

でもハヅキは一線を越えようとしている。
本当の自分を知らずに・・・


「分隊長・・・私は、分隊長が望むのなら、今まで通り接することができます。ただ、この気持ちは伝えておきたかった」


次の壁外調査で、命を落とすかもしれないから・・・


「・・・・・・・・・」


“ごめんなさい”と謝るハヅキ。
このままはぐらかすには、あまりにも真剣すぎるその目に、ハンジは絶望を覚えながら立ち上がった。



「ハヅキ、少し外を歩かない?」






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