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【R18】夏だ!花火だ!夏祭りだ!

第2章 海




地区予選から我慢してたんだ。
少しくらい欲張ってもいいだろう。


「ん・・・っ・・・紳一・・・」


本当は押し倒したいくらいだったが、仙道と花道に出くわすほどの場所だ。
下手したら藤真が鬼のような形相で突然現れるかもしれない。


“ 天敵の妹に惚れるとは・・・苦労するな、じい ”


はは、確かに。
これからは好敵手から、天敵になるのか?

それも少し寂しいな。


牧はようやくハヅキを解放すると、海を見つめた。


「オレの高校バスケ生活も終わり、か」

「まるで、悔いが残ってるって感じだね」

「まあな」


「良かった!」


ハヅキはサンダルを脱ぐと、躊躇なく波打ち際へ歩み、素足を波につけた。



「後悔する、素敵じゃない!」



キラキラと眩しい笑顔でこちらを振り返る。


「これからもずっと、紳一は夢を追いかけていかなければいけないってことだもんね」


大学チームに入って、プロになって。
後悔しなくなるまで走り続ければいい。

ずっとその姿を見ているよ。
あなたはひとりじゃない、私がどこまでも付き合ってあげる。


“ 牧さんは今年が最後だったのに・・・オレ達が不甲斐ないせいで、優勝できず・・・すいませんでした ”


泣きそうな顔で謝っていた後輩。
あの時は絶望すら覚えながら、慰めていた。

でも、違うんだ。


「ありがとな、ハヅキ」


悔しさの残る結末で良かった。
これでまた、終わらぬ旅に時を費やせるから。




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