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【R18】夏だ!花火だ!夏祭りだ!

第2章 海





防波堤をハヅキと手を繋ぎながら歩く。
口数が少なくなった牧を気遣い、ハヅキは延々と他愛のないことを話し続けた。

でも、その半分も牧の耳には入っていかない。


全国大会に行けなかったことと、
全国制覇を目前で逃したこと、どちらがつらいのだろう。


「あれ、紳一」

突然ハヅキが、牧の手を引っ張った。

「あそこにいるのって・・・」


浜辺をヨタヨタと歩いている、真っ赤な坊主頭。
どこからどう見ても、湘北のあいつ以外にいない。


「まったく・・・今日はいろんな奴に会うな」

牧は頭を抱えながらも、防波堤からその男に声をかけた。


「桜木!」

「ぬ?」

花道は太陽の光が目に刺さったのか眩しそうにしたが、すぐに牧だと気づいたようだ。

「おお、じい!」

老け顔の牧だからかなのかもしれないが、そんなあだ名をつける勇気があるのはこの男だけだ。
隣でハヅキが腹を抱えて爆笑している。


「・・・背中は大丈夫なのか?」

軽い怒りを抑えながら、全国大会で背中を痛めた花道を気遣う。
すると、ハチャメチャなルーキーは不敵な笑顔で牧を見上げてきた。


「オレを誰だと思ってるのかね? この天才なら、これしきのケガなど3日もあれば治る」


本当はそうでないことを、牧よりも本人が知っていた。
事実、花道が向かう先には脊椎脊髄外科で有名な病院がある。

それでも軽傷だと言ってのける強靭な精神力、それが湘北を全国まで押し上げたのかもしれない。




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