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【R18】夏だ!花火だ!夏祭りだ!

第2章 海




“ 8月10日、駅まで迎えに行くからね! ”


このメールが届いたのは、大会前日。
そして今日は、8月9日。

敗退した学校は、その翌日に帰ることになっている。
もし初戦に敗れでもしたら、1週間前に帰っていたかもしれない。
なのに、最初から海南が決勝まで勝ち進むことを信じていたのか。


「ハヅキ・・・」


会いたい。

気が強く、我が儘で、真っ直ぐで・・・

そして、唯一ライバルと認めた男によく似たあいつに。

牧は顔をほころばせながら、慣れない手つきで7日遅れの返信をする。


“ 8月10日に帰る ”


優勝トロフィーは持って帰れないが・・・
あいつはどんな顔で待っていてくれるのだろうか。

牧は庭石から立ち上がると、無数の蛍を目で追った。
点滅する光のひとつひとつに無邪気な笑顔を重ね、少しだけ気持ちが軽くなるのを感じる。

だが、同時に悔しさが激しく込み上げてきた。

聞こえるはずもない、試合終了のブザーの音が聞こえる。


あと、5点だったんだ・・・

シュート3本決めていれば・・・
いや、スリーポイントであれば2本で良かった。


「クソ・・・」


試合後初めて海南のキャプテンから漏れた悪態は、誰にも聞かれることなく夜空に溶けていった。






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