【ONE PIECE】彼の性癖【トラファルガー・ロー】
第2章 彼の性癖(2)
「…どうしても嫌か」
「どうしても…っていうか…」
「…………」
そんなに拗ねた顔して腰に腕を回されたって、ときめいてたまるものか。
不満そうな表情を胸元に埋めてくる仕草が妙に幼い。
昔、出会ったばかりの頃。ローは、基本的に自分のことしか考えていないし気に入らないことがあると容赦なく切り捨てたり酷い仕打ちをしたりするタイプの人間だと思っていた。でも、こうして甘い関係になってしまうとその辺は多少変わるみたいだ。
私も怒っている訳ではないので、そっとその癖っ毛を撫でてやると、ホールドがぎゅ、と少しだけ強まる。
「……嫌、っていうより…恥ずかしいよ」
「…すること自体は、いつもと変わらねェだろうが」
「…それはどうだろう……」
「うだうだ言ってねェで折れろ」
「し、しぶといね…」
本当にしたくない、と言えば嘘になる。
ローにそうされるのは気持ちいいし、それに近いことなら何度もしてるのだ。
そうだ、いつもしてる"それ"では駄目なんだろうか。
「…してェ」
「……また…舐め合いっこ、じゃ駄目なの…?」
「駄目だ」
そう、シックスナインをするときも、殆どローの顔の上に跨るのだから同じ恥ずかしさではあるのだが……今、私が望まれているのは舐め合いっこも何も、顔面騎乗位というやつで。言うなら良い思いをするのは私だけ。
実は先程までもクンニで数回イかされたばかりなのだ。大分呼吸も気分も落ちついて、抱き合いキスをしたりしていた所でそっと内股を撫でられ……彼のものを挿入する前にと指を中に入れて慣らされる前戯を期待していた矢先のこれだった。