第1章 夢中
予想外な一言に、銀時は炬燵の中に居るにも関わらず、一気に肝が冷えたのを感じた。言われた言葉を頭が理解すれば、キューッと内蔵が締まるような緊張感を持つ。
特に、被害に遭うと定められた股間を守るかのように、炬燵の下で伸ばしていた両足は自然と内股になった。
「作者曰く、別に『銀さんの銀さん』を活躍させるシーンは書く予定が無いから、この機に不能にしても良いそうです」
「どういう意味だゴラァ!? 銀さんはなァ!! 『銀さんの銀さん』を使う日をどんだけ楽しみにしてっと思ってんだ、あの糞アマァアア!! ただでさえ連載の更新が遅くて、菊(コイツ)と良い雰囲気にすらならねーの我慢してんのに、不能はねェだろうが!!」
聞き捨てならない台詞が更に増え、銀時も先ほどの神楽のように怒りを爆発させた。だが想定内だった銀時の行動は気にせず、再び新八が詳細を明かす。
「でも結構本気みたいですよ。言い訳として『肉体的な行為はなくても、愛を伝える方法はいくらでも有る』みたいな事、散々言ってましたし。その後に『マジ裏とか書くの面倒くさい』って本音を零してましたけどね」
「っざけんなァアア!」
「とにかく、早く菊さん連れて行ってください。僕も帰らないと、集めたお通ちゃんグッズが自室から抹消されるって脅されてるんですよ」
同時に溜め息が零れる男性陣。「諦めろ」と言わんばかりの理不尽さに腹が立つも、最悪を回避するには従うしかないのだと理解する。