第1章 夢中
「神楽ちゃん……今すぐ遊びに行かないと、今度の番外編で神楽ちゃんと沖田さんのエロ小説書くって言ってたよ。しかも長谷川さんを含めた、ドロッドロの三角関係で」
「はあ!? 何アルか、ソレ!?」
突然にも新八の口から聞かされる驚きの仕打ちに、神楽は怒りを隠せない。
「気色悪ィこと言ってんじゃねーヨ、聞いてねーぞコラァ!! ドSもマダオもお断りネ!! 誰にも私の純潔はやらないアル! そもそもコレは夢小説じゃないアルか!? 何で私が誰かとエロい事しなきゃならないネ!?」
「まあ、菊さんか揚羽ちゃんをチョロッと出しとけば夢小説として成り立つ……とか何とか言ってたよ。ほら、早くしないと番外編が決定されちゃうよ。5……4……3……」
「ぬおおおぉおおおおお!! あのクソッたれ作者、覚えとけヨ!! 定春、着いてくるアル!!」
「ワン!」
無慈悲にも始まった、新八の強制的なカウントダウンにより、神楽は定春を引き連れて万事屋を勢いよく飛び出す。ドタドタと大きな足音を立てながら去った一人と一匹は、嵐のように姿を消してしまった。実力行使とも言える一連の流れに、菊だけは戸惑いを隠せない。
そんな彼女とは対照的に、隣に座る銀時は余裕のある態度で新八に食ってかかる。
「へぇー、ふーーーん……で、俺は何て言われて脅されんの? 言っとくけどなァ、俺ァ他のキャラとエロいの出来ねーぞ。んな事したら、この夢小説の意味がなくなるからな」
勝ち誇った顔はややニヤついている。その表情に内心イラッきたが、新八は態度を変えずに淡々と返した。
「銀さん、今すぐキッチンで料理してきた方が良いですよ。銀さんの脅しに関しては、一番同情してますから」
「はんっ、逆らったら何だって?」
「睾丸を爆発させるそうです」
「…………えっ」