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空にかかる虹のお話。

第5章 居候。



こうしてソラとレインの居候生活が始まった。
ここに居候するにあたって、レインがどうしても何か手伝いたいと申し出ると、マリアは毎朝、朝食のために近くにある森から果物や実を摘んでくることを条件として提案してくれた。

さっそくその日の夜、マリアの手料理を三人で囲んだ。といっても椅子が二脚しかないので、レインは立って食べることになってしまった。じゃんけんの結果だ。

一同「いただきまーす!」

マリアの料理の腕はとても素晴らしいもので、いくらでも食べられた。

ソラ「おいしいーっ!」


口にいっぽいほおばるソラを見てマリアは嬉しそうに笑う。
レインも食べるのに夢中のようだ。


マリア「ありがとう。そういえばあなたたちのこと何も知らないわ、教えてくれる?」


そういえば名前も言ってなかったと思い、レインが先に自己紹介を始めた。


レイン「遅れてすみません。僕の名前はレインです。実は僕達お空の上で仕事をしている者でして、訳あって地上に落ちて来てしまったのです。」


お空の上の仕事と聞いて、あきらかにはてなマークが頭上に浮かんでいるマリアを見たレインは、しまった、ここは嘘でもついておけば良かったと一人後悔した。
こんなこと言っても普通の人間に通じるわけがない。レインはこれ以上ややこしいことをソラが言わないことを願った。
しかしソラがそんなこと知る由もなくて。


ソラ「私はソラっていってね、お空の上で虹の番人をしているの!天気を変えたり、無断でお空の上の国に入ろうとしてる奴をやっつけるお仕事をしてるの!」


レインは深いため息をついた。案の定マリアは訳のわからない言葉が増えてあきらかに混乱してしまっている。
ソラは「どや」とでも言いたげな顔でマリアを見ている。


マリア「え、えーと…二人はお空の上の国で…?え…?」


考え過ぎて思考がうまく回らないマリアは、ついにギブアップしてしまった。

急にテーブルに突っ伏したマリアにソラは驚き、


ソラ「どうしよう!?」

レイン「僕に任せて」



レインはマリアを引きずるようにベッドがある寝室へ連れていった。

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