第6章 森の中で。
ーーーーーちゃん
誰かが私の名前を呼んでいる…
朦朧とする意識の中、何者かに自分の名前を呼ばれたソラは次第に視界がはっきりしてきた……と思ったら。
バシッ
ソラ「いったあ!?」
鈍い痛みとは違う痛みが頬に走った。
痛む頬を手で覆い、ガバッと上半身を起こすと、そこにはレインがしれっとした顔で座っていた。
ソラ「あんたねえ~っ!」
ふるふると怒りをこらえながらもなんとか言葉を発するソラ。そんな時
?「お、お目覚めのようだね☆」
どこかで聞いたことあるような声がして振り向くとそこには
ソラ「かっ…神様!?」
白いヒゲにつるつるな頭。白い服に後光がきらきらと反射する。まるで絵に書いたような神様兼上司が人懐こい笑顔を浮かべながら立っていた。
ソラ「神様だっ!」
ソラは言うが早いか神様に抱きついていた。それをよろめきながらも受け止めた神様兼上司はやさしく頭を撫でた。
神様「よーしよーし、もう大丈夫じゃよ」
レイン「神様…」
神様「どうした?レイン。さあおいで!」
レインに向かってペカーと眩しい笑顔を向ける神様兼上司に向かってレインは
レイン「んなことするかアホんだらあぁあああぁあ!!!!!!!」
神様「ごふっ!」
ごんっ!と鈍い音がして神様は木に背中からぶつかっていった。
見事にレインの右アッパーが決まった。
ひゅーひゅーと呼吸をする神様兼上司!
かけよるソラ!
ソラ「神様!?」
涙を浮かべる哀れな少女
神様兼上司はソラの頬に手を当て、ほほ笑みを浮かべた。
神様「どうやらここまでのようじゃ…今まであり…が…」
カクンと最期の言葉を言い切った老人。
ソラ「神様っ…
…ってんな訳あるかこのヤロオオォオォ!!!!」
神様「ぎゃああぁあ!」
本日二度目の右アッパーも見事に神様兼上司に命中した。