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空にかかる虹のお話。

第4章 地上


マリア「二人共、おまたせっ!」


満面の笑みでドサッと大量の包帯やらをテーブルの上に置くマリア。


マリア「手当てなんて何年ぶりかしらっっ!腕がなるわっ!」


そう言うとピンセットで消毒液に浸してあった綿をつまみ取る。そしてそのまま「痛いかもしれないけど我慢してねー」なんて言いながらソラの傷口にそっとつけた。


ソラ「ぎゃあああああっ!」


初めて怪我をしたソラにとって消毒は拷問に近かった。痛いところに何故また痛くなるようなことをするのか理解ができなかった。

ソラ「痛い痛い痛い痛い!なにこれしみる!しみるって!」

涙目になるソラを見て優しく微笑むマリア。前の席でニヤニヤ笑うレイン…。


ソラ「レインめ……」


イライラと痛さとが混ざってひきつった笑顔を見せる。


マリア「よし、これで大丈夫よ!」


見ると、怪我してたところは全て綺麗に包帯で巻かれていた。


ソラ「すっごい!やっぱマリアはお空の上で治癒の仕事をしているのでは!?」


大はしゃぎしているソラをよそに、レインの元へ移動するマリア。


マリア「痛いかもしれないけど…」


レイン「いえ、大丈夫ですよ。あの子とは違うので。」


ニッコリと嫌味な笑顔をソラに向けるレインを見てマリアは


マリア「男の子だものね!本当に一瞬だからね!」


ピンセットで消毒液を塗ろうとしているマリアの後ろからソラはニンマリ笑ってその様子を観察していた。

消毒液がレインの傷口についた瞬間


レイン「………っ!」


あきらかに顔をしかめたレイン。しかしソラに見られているためなのか声には出さなかった。
そんなレインが面白くてソラは

ソラ「お?お?痛くないの?」

と相変わらずニヤニヤしながら話しかける。

レイン「…っうる…さい!」

涙目になりながらも睨みつけるレイン。


ソラ「そんな顔で言っても説得力ないよ?大丈夫ー?」

レイン「黙れアホ」


そんな会話をしているうちにレインの治療も終わっていた。
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