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空にかかる虹のお話。

第4章 地上


マリアの家はソラ達がいたところからそう遠くはなかった。むしろ近かった。

広い草原の中に佇んでいる小さな家。


白いレンガにピンクの屋根の二階建てという、なんとも可愛らしい家だ。


マリア「さ、どうぞあがって。」


ソラ「おじゃましまーす」

レイン「失礼します。」


マリア「今手当ての道具もってくるから椅子に座って待っててちょうだい。」


二人はマリアに言われるまま、テーブルを挟んで二つ並んでいる椅子に腰掛けた。こうして見ると、外からは小さく見えたが中に入ってみると余計なものはなく、広く感じた。

ソラ「すごーいっ!私が虹の上で仕事してたときはいつもそこらへんにある雲の上で寝てたから家の中に入るなんて、ましてや椅子に座るなんて初めてっ!」


初めてのことに興奮して目を輝かせるソラを横目にレインは足をブラつかせながら


レイン「そうか、君はずっと虹の上で番人をしてたから家が無かったんだったね。ま、僕はあくまで見張り役だから夜は自宅に帰ってたけどね。」


レインのその発言にソラは目を点にして聞いた。


ソラ「家があったの?え、いつも夜になるとレイン消えるなーと思ってたけどあれ、家に帰ってたの!?」


レイン「そうですよ。たしか…お空町三丁目…だったかな。」


ソラ「二年に一度ある私の唯一のお休みの日に出掛けるあの街!?普通のお空の上の仕事をしている人達が暮らすあの街!?」

レイン「そうですよ。」


あまりにもサラッと衝撃的事実を話されたソラはポカーンとした顔をしている。
共に虹の番人の仕事をしている…といっても見張り役だが、レインも自分と同様どこかの雲の上で寝ていると思っていたからだ。


ソラ「ずるくない!?」


レイン「神様が『ソラは常に地上が見えるところにいなくてはだめだから』って君だけは雲の上で寝るようにしたらしい。」


ソラ「あのクソ上司。」


そんなくだらない話をしていると奥から包帯やら消毒液やら、両手に収まりきらないほどの量の応急処置用のものをもったマリアが姿を見せた。



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