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第1章 Happy Birthday to You!!


っていうか今から陽子が来るんだよね。9時ぐらいって言ってたかな。
だから僕は今、男らしいまでに汚い部屋をえっちらおっちら掃除をしているわけなんだけど。
「あぁー、緊張してきた・・・。」
計画はしっかり立ててあっても、上手くいくかは別問題。
アクシデントにより陽子を嫌な気分にさせてしまっては元も子もない。
8月8日だけは、いつもとひと味違う僕を見せなくては。

・・・多少失敗したとしても、陽子は優しいから許してくれそうな気がするんだよな。
でもそれに甘えてたらいつもと変わらなくて、たまには男としてかっこいい所を見せたいのが僕の希望。
「僕だって陽子の事が好きなんだから。」
ちゃんと伝えるんだ・・・感謝とか、愛情とか、普段言えないような事を。



いつも僕を支えてくれてありがとう。
でもたまには陽子も、素直に甘えてくれていいんだよ。
「キャラじゃないから。」なんて言わずに、贅沢なぐらい乙女な夢を見たっていいんだよ。
僕だって陽子の事、幸せにしたいって思ってるんだから。

生まれて来てくれてありがとう。




「ってな事は手紙に書いたんだけどな!」
掃除の終わった僕は、掃除用具をクローゼットにぶち込んで声高に叫んだ。
さすがに思いを口にするのは恥ずかしくて、陽子に貰ったメッセージカードが嬉しかったってのもあるんだけど、僕はそれらを手紙に託してプレゼントと一緒に渡す事にした。
・・・何となくだけど、「手紙なんて頑張ったねー!」なんて笑い飛ばしながらも、実は照れている陽子の様子が目に浮かんだ。
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