第1章 novel.1 真田と幸村の猫遊び
ケラケラ笑いながら仁王や丸井が真田のオヤジ話を盛り上げる
「真田の後のお湯は抜かれたりな」
「汚いとか言われてそうじゃ」
「五月蝿いぞ!!」
部室での騒ぎを遠くに聞きながらあいうは汗を浮かべながら洗濯物を洗い、干していく
「暑い‥干からびる‥」
真田のジャージを割り箸で突っついていたら幸村がやってきた
「お疲れ様、手伝うよ」
紙コップに氷の入った飲み物を差し出す幸村に何度も「女神だ!!」とか叫びながら飲み干す
「ぷはーっ!生き返るよ、干からびる寸前だったよ」
氷をガリガリ噛むあいうを見ながら幸村は口元で笑う
幸村に手伝ってもらい洗濯を済ませると空になった紙コップを握りしめながら二人で部室に戻った
「終わったよ、オラ!土産にゃあ!!」
ドアを開けあいうは真田に向かって紙コップを投げつける
筈だったのにへたり込んでしまう
手元に転がった紙コップを眺めながら今自分が「にゃあ」とか言ってしまった事に赤面する
「にゃに?、にゃ!?」
体はカクカクと力が入らないし、喋れないし
訳分からないと幸村に視線を向ける