第1章 本編
俺はその日から、毎日毎日、血の滲む特訓をした。今までのスピードテニスを更に高めるために。そして…
『ウソだろ…正レギュラーの滝さんが1-6で敗れるなんて』
『滝はレギュラーから外せ!代わりに準レギュラーの日吉が入る!以上だ』
『まだ何か用か?』
「お願いします!自分を使って下さい!」
俺は監督に頼み込んだ。勿論、無謀なことは十も承知だった。
『では鳳…お前が落ちるか?』
「!」
しばしの沈黙が流れる。
「構いませ…」
俺はこんなことを望んだ訳ではない。勿論、練習を手伝ってくれた鳳を蹴落としてまで、這い上がろう何て。俺はただ認めて欲しい!
「宍戸さんっ!!?いったい何を!?自慢の髪だったじゃないっスか!」
俺は髪を切った。峰のいう通りだ。俺の意地を示さなきゃならねぇ!そのためなら、髪だろうが何だろうが、どうってことねぇ!
『「・・・・・・・・」』
「監督…そこに居る奴はまだ負けていない」
「跡部!?」
「自分からもお願いします!」
『勝手にしろ』
監督はそういうと、きびすを返して立ち去った。
「ちっ、余計なことを…」
「いっとくけど二度目はねーぞ」
俺はこうして再び正レギュラーに戻ることができた。