第13章 すれ違う思い
リタ「ん…ふぁっ…、お兄ちゃ、ん…ごめんな、さい…あっ!」
ヨル「んんっ、…っは! 声を漏らしてなに感じてんだよ…お仕置きって言ってんじゃん…」
リタ「だ、って…うぅ だからって吸血、なんてっ…僕、貧血気味…で、あぁっん!」
ヨル「っく、ん…んんっ」チュッ チュウ
リタ「や、やぁ…!」
お兄ちゃん、なんか変わった
僕にヴァンパイアって告白してから
変わった気がする
今でも不器用で優しいところは
あるけど、いじりわる にもなった かな
調教生…て言うの…?
お兄ちゃんがわからない
でも、やっぱり優しい
でも、やっぱりやっぱりいじわる
最近はそんな感じになってしまった
お兄ちゃん
でも、お兄ちゃんを憎めない
ヨル「…で、夜中までどこを寄り道してたんだ…?」
リタ「それ、は…」
言ってはいけない気がした
ヨル「…男の匂いが、する…でも不思議な匂い…へぇ?」
リタ「ちが、う!!そういうわけじゃない…!!」
ヨル「そういうって、どういう?」
リタ「…!!」
信じてくれない
僕だってルイくんの家に行くのは
少し不安だった
ちがう、すごく不安だった
でも、僕でもお兄ちゃんを守れるかも
って…
ルイくんのヴィザードの力を見たとき
いいな とも思った
僕にもお兄ちゃんを守れる強い力が
ほしいって
リタ「…っ!!なにも知らないくせに!!僕がお兄ちゃんをどう思ってるか知らない、くせにっ…」ポロポロ
ヨル「…!!」
…バタンッ
耐えられなくて玄関から出た
そしたら
「リタ様」