第6章 ヤキモチ
リタ「うぅ」
お兄ちゃんにいろいろされて、
逃げて気づいたら下駄箱前…
意外と夜に来てる人が
多い…
下駄箱前に近づき、
靴箱に手をかける
不登校前は靴箱の中に
画鋲や紙切れなどが入っていて
嫌になったけど、
確か靴箱のゴミなどを処分しないまま
不登校になってしまったから
あのまんまのはず―
…カタ
リタ「っ!!」
…あれ、綺麗にされてる
上履きをはき、教室の場所を
思い出しながらゆっくり足を
踏み入れたその時
ドンッ
リタ「わっ」
「っ」
誰かとぶつかっちゃった
恐る恐る目をあける
リタ「ご、めんな、さい…あの、大丈夫でしゅ…う、ですか??」
か、噛んだ…
あれ??
この人、弥優くん??
弥優 キョウ (ミユウ キョウ)
僕が不登校の間、ずっと家にプリント
持ってきたり、学校行こうと
呼びかけてくれた人
キョウ「った…あれ??倉森!!!!」
リタ「弥優くん…!!な、んで夜の時間…に、いるの、ですか??」
確か昼の時間だったはずだよ!!
キョウ「いや、まぁちょっとな」
リタ「??」
キョウ「お前が夜に来てるかもしれねぇ、と思って確かめにきた…んだよ」ボソボソ
なんか言ってるけど
聞こえないな…
リタ「あ、えと、じゃあ僕、教室に、行く」
キョウ「じゃあ一緒に行こうぜ!!同じ教室だし!!!!」
リタ「あ、うん」
お兄ちゃん以外の人としゃべるの
久しぶりだな
上手く会話できないや
教室に入ると人数は少ないけど
人は結構いた
カタンッ
久しぶりの学校の椅子に座っている感覚
教室の匂い
すべてが懐かしい
「ねぇ、確か倉森さんだよね??確か…リタちゃん!!」
リタ「え?あ、はいっ」ビクンッ
「あははっそんな怯えないでよ あたしは凛瞳 アヤメ!!」
凛瞳 アヤメ (リンドウ アヤメ)
リタ「凛瞳、さん」
アヤメ「やだなぁ、アヤメでいいよー!!」
リタ「あぅ…じゃあ、アヤメちゃん…??」
アヤメ「なにこの可愛い生き物…うん、アヤメだよ!!よろしく」
リタ「!!」
この感じ…友達が出来たんだ…
リタ「う、うん!!よろし、く!!」
アヤメ「ところで、なんでリタちゃんは夜の時間帯なの??」
リタ「…い、じめ」