第4章 服
藤孝の問いに光秀は首を傾げる。
光秀「それは…いったいどうゆう…」
藤孝「あの者と殿が親しき間柄だとゆう事は分かった…。だが、それはあくまで過去の事。あの様子を見る限り、殿もあの者とは久方ぶりの再会のようだ…。子供の頃とは違う。年月は、人の心を容易く変える…」
光秀「細川殿…何を言いたい…?」
藤孝「あの者は、殿の命を狙う刺客かもしれんという事だ。あの者の強さは底が知れん、殿の側に置いていては危険なのではないか?」
潤がサブローを暗殺する為の刺客なのではないかと言う藤孝。
そんな藤孝に光秀は一息吐いてから答える。
光秀「心配は要らない。潤殿は、本当にただ純粋に殿を好いておられる。それこそ、兄が弟を愛おしく思うかの様に…。わしは…あの者が嘘をついている様にはとても見えん。それは…細川殿も同じでは?」
藤孝「…確かに、あの者の目は嘘をついている様には見えん。殿と似た様な目をしておるしな…。だが、腹の底では何を考えているか…」
バタバタッ
藤孝「ん?何やら騒がしいな…」
襖を開くと、織田家臣が走り回っていた。
家臣「あっ、細川殿‼明智殿‼」
藤孝「騒がしいぞ…何事だ?」
家臣「た、大変です‼屋敷内に曲者が忍び込んだようで…殿が…‼」
光秀「と、殿がどうかされたのか⁉」
殿と聞いた瞬間思わす立ち上がる光秀。
家臣「負傷…されたと…‼」
藤孝「…⁉」
光秀「殿が…‼分かった、すぐに向かう‼」
そう言うや否や、光秀は立て掛けてあった刀を手に取り部屋を出て行った。
それに藤孝も立ち上がり部屋を出る。
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ーー 厨房・半刻前
時間を少し遡り、厨房ではサブローに案内されてやって来た潤と弥助が侍女が甘味を作る所を見学していた。
初めて見る戦国時代の調理に潤目を輝かせている。
『スッゲェ…戦国の調理スゲェ…つーかヤベェ…』
サブロー「うる兄さっきからそれしか言ってないよ…」(苦笑