第3章 再会
長秀「大神殿と仰いましたか…。それは、いったいどうゆう事でございましょうか?」
一人無表情の織田家の知将、『丹羽長秀』が尋ねてきた。
『信長殿は幼い頃身体が弱かったそうなので、外にあまり出してもらえなかったそうですね?なので俺が代わりに毎晩遊びに行っていたんです。けど昼間は家臣の皆さんの警備が厳しいし、薄汚い城下のガキなんかを城の中に入れてくれるわけないんで、やむ終えず夜に忍び込んだってわけですよ。夜ならまだ警備も薄いし、見つかる可能性も低いですから。そうやって毎晩一緒に遊んでる内に自然と親しくなったのです』
サブロー(うわぁ…ミッチーも凄いけど、よくこんな作り話がポンポン出てくるな〜……)ススッ…←(ちょっと後ずさる)
光秀「……凄い」ボソッ
ペラペラと嘘を喋る潤を見てサブローは少し引き、光秀は逆に感嘆の声を漏らした。
長秀「…なるほど。そうなのですか、殿?」
ずっと潤を見つめていた長秀だが、突然サブローに話を振りサブローに顔を向ける。
長秀の問い掛けに周りもサブローに顔を向けてくる。
サブロー「え?あーうん、そーだよ。だから安心してよ。この人見た目はイカついけど根は良い人だよ?」
『根はってなんだよ根はって⁉普段から俺はチョー優しいっつーの‼』
サブロー「あーはいはい。と言うわけだから、みんな仲良くしてね」
自分達の殿がそう言うのならばそうなのだろうと、家臣達は漸く警戒心を緩めた。
利家「…それよりも、お前女子だったのか?信じられんな…」
やっと落ち着いた所でこれまた爆弾発言をしたのは織田家の犬、『前田利家』であった。
『ンだとゴラァ⁉れっきとした女だってンだよ‼何回コレ言わす気だ‼』
サブロー「ちょっ、うる兄落ち着いて‼ミ、ミッチー手伝って‼」ガシッ
光秀「はっ、はい‼」ガシッ
利家の発言に暴れ出す潤をサブローが羽交い締めにし、光秀が潤の足を押さえる。
利家「そう言われても、どう見ても女子には見えんぞお前。背はこれでもかというぐらいデカいし髪は女子にしては信じられんくらい短いし、ガタイも良く口も素行も悪い……どう見ても男にしか見えんぞ」
『うぐっ…‼』グサッ
利家の言葉は潤の女心を深く抉った。