第2章 感情
そういや、昔っから俺はあんま物事をうまく進めらんなかったな。
親父に助けられたり、ルッツに助けられたり。
一緒に戦ってきた仲間に迷惑かけたりもしたな。
「駄目だな。だめだめだな、俺は。」
だから雨は嫌いなんだ。
雨音を聞いて一人になると、暗いことばっか考えちまうから。
いつもの俺はほんと、どこにいったんだ。
肩をつつかれる感覚に顔を上げると、
会いたかったアイツが立ってる。
「…ひな‼」
「ど、どうしてここにいるんですか…?」
「お前、家ん中に居たか?誰も出てこなかったからてっきり居ないのかと思ったぜ…」
「あ…ごめんなさい。さっきまで寝ていて気が付きませんでし―――」
俺はひなの頭を自分の胸に引き寄せる。
俺にはコイツが必要だ。
全てのことがどうでも良くなるくらいにコイツが愛しい。
なんでだろうな。
顔を赤くして顔を上げるひな。
何事か、と言わんばかりに首をかしげている。
Ich brauche Sie.
本当に心からそう思うぜ。