第2章 感情
車を全力で飛ばして来たら、1分もかからないうちに着いた。
内海、と書いてある表札を確認すると、インターホンを押そうする。
が、その時ふと思った。
行ったら行ったで、なんて言えばいいんだ?
きっと、ひなの保護者が出てくるよな?
てことは、ひな本人には会えないってことなのか?
頭の中が疑問符でいっぱいいっぱいだ。
―――――でも、今更こんなこと気にしても遅い!
俺は勢いよく襖式の入口を開けた。
「おーい、誰か居るか?俺様が直々に食品配達しに来てやったぜ‼」
あぁ。テンパり過ぎて口が滑った。滑りすぎた。←
だが、数秒待っても誰の声もかえってこない。
「……誰も居ねえのか?」
やっぱり声はかえってこない。
俺は誰かが来るまで、外で待ってることにした。
来る、って保障はないけどな。
「あっ。雨だ」
鼻の先に雨が一粒当たると、急に土砂降りへと変わる。
屋根の下に移動し、携帯を取り出した。
「雨になる、なんて予報出てなかっただろーが…」
愚痴るように呟いた。
「なんでこう、上手くいかないんだろうな。」