第2章 感情
「色々手伝って頂いてありがとうございます。」
水分補給のため、といって出された麦茶は容器まで冷やして置いたのか、異様に冷たい。
一気に飲み干し、口付近についた麦茶を手の甲で拭う。
「礼には及ばないぜ。」
一瞬の間があく。
「それ、完全に兄さんが言う台詞じゃあないだろう。」
普通に呆れ顔で返された。
一方の本田は苦笑している。ちなみに、目はしんでいる。←
愛弟を様々な危険から守れるようきっちり見張ってたのによ。
………まぁ、ルッツなら危険な目に逢う前に自己回避すんだろうけどなー
そういうしっかりした男に育て上げたのはこの紛れもない俺様なんだぜ。褒め称えろ!
そんな俺の脳内自分自慢はさておき、
本田たちは会話を続ける。
「そういえばフェリシアーノはどこへ行ったんだ?」
「今朝、お散歩の途中で絶景の穴場を見つけたからまたいってくる、といっていましたよ。」
「「穴場…?」」
俺とルッツの声が重なった。
「きっとあの場所ですね…」