第2章 感情
シャワーを浴びて気持ちも幾分さっぱりした俺は上機嫌になりつつ居間に向かうと
「え、なんでお前らもう食べ…」
「すみませんギルベルト君。料理が冷めてしまっては元も子もないと思いまして」
「すまないな。あ、兄貴。」
「俺お腹空いてたからつい…」
三人の眼差しからは謝罪の気持ちが伺えないのは何故だ。
別に、俺は省かれても全然平気だけどな!…平気だけどな!
「別に…平気だぜ」
「ほら、拗ねてないでギルベルト君も一緒に食べましょう?用意はできていますよ」
俺は無言で空いてる場所に座る。
目の前に並べられた料理は安定の塩分パラダイスだった。
だが、どれも美味そうだからあえてそこには触れないことにするぜ。
「あーお腹いっぱい!美味しかったぁ」
「お粗末様です。」
「うむ。どれも美味かった。…だが、やはりどれも塩分の量g…」
「そっ、そうだフェリシアーノ君!昨夜はバタバタして忘れていましたが今夜こそトマト料理をお願いしたいのですが!…よろしいですか?」
俺は目の前で繰り広げられる茶番をぼーっと眺める。
ほんとこいつら見てるとどこかしらトーニョとフランといたころを思い出す。
あー…ほんとあの頃は…
「兄さん、何にやけているんだ」
「いや…にやけてn…」
「ひなちゃんのこと考えてたの?」
「なっ ……違う、断じて違う!」
本当のことを俺は言ってるのに俺の反応があまりにもそれっぽかったからか完全に勘違いされてる。
本田なんて終いには「ギルベルト君にも青い春が来たんですねー」だってよ。
別にそんなんじゃねえのに。
なんで俺はトーニョとフランのことを考えてただけなのに青い春が来るんだ。
ていうか、青い春ってなんだよ。