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[進撃]奥まで愛して[R18]

第1章 奥まで愛して


かくして山は動き王子役を演じることと相成ったリヴァイ兵長。

彼は窓辺に腰掛け不機嫌な眼差しで落ちる夕陽を眺めている。

『……兵長』

兵長の陥落後、ハンジ分隊長は満足気に部屋を出て行った。モブリット副隊長と共に大道具作りを開始するらしい。

団長も公演場所の下見や広報活動があるとかで去ってしまったし……要するに今、私は兵長と部屋に二人きりだ。

「何だ」

『きっと素敵ですよ』

なんたって人類最強の刈り上げ……じゃなかった、王子様ですからね。

何のフォローにもならない言葉をかけて私は笑った。

すると、兵長は夕陽から視線を外してこちらを見つめてくる。

「貸せ」

『え……?』

「台本を貸せと言ってるんだ。もう出来てるんだろ」

いつになく真剣な表情の兵長に押されてしどろもどろの私。

書類の束から恐る恐る台本を取り出して兵長に差し出してみる。

「やるからには最善を尽くさねぇとな」

練習に付き合え。
これは、命令だ。

兵長はそう言って私の手を引いた。
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