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[進撃]奥まで愛して[R18]

第1章 奥まで愛して





「断る」

兵長はさっきからこれの一点張りだ。

『兵長が適任なんですって』

書類の束を抱えて私は言い返す。
何度断られようがこれだけは譲れない。

『お願いですから承諾して下さい』

「だが断る」

『なんでそんなに頑固なんですか!』

思わず声を荒げてしまった。

すると兵長はこれでもかと睨みを効かせて唸り声を出す。

まるで敵に威嚇する肉食獣だ。

「頑固も何も……俺が王子様役なんか出来る訳ねぇだろうが…‼︎」

うわあ、目が本気だ。

怖い。
いつにも増して。

私は見慣れた筈の三白眼に肩を竦めさせて、ヘラリと笑ってみせた。
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