第1章 奥まで愛して
『ん……ああっ…兵長…‼︎』
蒸し暑い熱帯夜。
汗ばんだ逞しい胸板に唇を寄せて、熱く滾った彼自身を咥え込む。
「おい……今は、兵長じゃねぇだろ?」
腰をいらやしく前後させながら言う兵長はいつになく興奮している様子だった。
その証拠に挿入されているモノが普段より硬い。
『ひっ…ぁ…奥、当た……ああっ』
「ほらどうした」
言えよ。
俺は王子様だろ?
兵長は楽しげに声を漏らして濃厚なキスを落とす。
『ん、んぅ……っお、王子…さまぁ』
「あ?何だよ」
『も…っと、奥……気持ちい…っ』
「はっ……とんだ淫乱シンデレラだな」
じゅぷっ
嘲笑と共に膨れた陰茎が差し込まれる。
『ん……あぁぁ…っ‼︎』
先端を最奥に当てた状態でグリグリと腰を動かされて、私は一気に絶頂を迎えてしまった。
迸る汗。
二人を照らす月明かり。
身体を重ねる私達の傍らには一冊の台本が転がっていた。