第7章 バレンタイン:ジャーファル
「じゃあまずはチョコを刻もう!…あのモルちゃん?その…包丁使ったことありますか…?」
ピスティも驚くくらい、モルジアナは料理に関して無知だった。
サバイバルでも行うような包丁の持ち方をし…というか握ってるだけで刺し殺しそうな感じで怖いんですけど…。
チョコを刻ませようとやり方を教えると、なぜか反動でチョコが飛んでいく。
「左手で手を添えて…その向きは危ないから!…そうそう!そんな感じ!だけどもう少し細かく…!」
ピスティがわりと必死。
ヤムはちゃんとチョコを刻めてる…けど、ちょっと大きいような。
…あれ、チョコを刻むのってこんなに難しいっけ…??
「うん、モルちゃんストップ!初めてだし、刻むのはこのくらいにしよう!あとは私達で刻むね!待ってヤム!ヤムももういいから!」
「2人は見てて?その…順番逆になったけど、見本ってことで。」
これ以上やらせるとチョコが減る。
いやほんと、比喩じゃなくてほんとに!
既にあちこち飛んで使えないチョコが…キッチン周りにたくさん。
…工程まだまだあるんだけど、これ大丈夫かな…。
「刻み終わったら生クリームを加えて湯煎で溶かすんだけど…見ててね。」
ピスティもうんうんと盛大に頷く。
下手に混ぜるとチョコがさっき以上に飛び散って後片付けも大変そうだからね。
混ぜるのはラム酒を加えたあたりでピスティと代わろうかな。