第7章 バレンタイン:ジャーファル
今日はシンドリアにしては寒い、2月。
そう…。
嫉妬と妬みにまみれるこの日は…2月14日。
バレンタインデーだ。
「さあ!女子だけでバレンタインのチョコを作るぞ〜!!!」
「…あげる相手がいていいわね。今回は何人にあげるつもりなの、ピスティ?」
というわけですこんにちは。
テンションが高いのはピスティ。
対照的にちょっと低めのテンションなのはヤムライハ。
…ヤムは最近振られたらしくて。
「えーと、20人くらい?」
「「は?」」
「彼氏もそうだけどー、八人将のみんなとか?今は本命チョコだけなんて古いでしょ〜?」
ああ、なるほど。
確かに今は友チョコや義理チョコが当たり前だもんね。
「…あの、本命チョコってなんですか?」
本気で分かっていない様子なのはモルジアナ。
今回のお菓子作りは私を含めて4人で行います!
「好きな人にあげるチョコの事だよ〜!」
ってことは、もしかしてバレンタイン自体知らないんじゃ…。
「ちなみになんだけど、義理チョコはお世話になっている人とかにあげて、友チョコは友達にあげるチョコの事を言ってるんだよ。」
「なるほど…。」
バレンタインの説明は私ができない。
「さあ作ろう!今回はね、生チョコを作ろうと思うんだ!」
「生チョコ?去年作ったのはなんだったかしら?」
「去年は…トリュフだね!去年の出来も考えて、今年はモルちゃんもいるからちょっと簡単なやつにしておいたよ。」
「うっ」
「…?」
「…モルジアナ、お菓子作った事ある?」
「いえ、無いです。」
「そっか。…去年何かあったの?」
「あの、そのね?ちょっと分量間違えちゃって…。」
「目分量で作ったらチョコが固まらなくなって、無理に固めようとして魔法を使ったもんね〜。固まらないしひっくり返しで大変だったよー。」
すごいにこにこしながら教えてくれるピスティ。
…初心者は目分量ってダメなんだけどな。
ヤムは普通に料理出来ると思ってたよ。
「セリシアは?何か作った事ある?」
「トリュフは無いけど、生チョコはあるよ。お菓子作りは好きだし、安心して。」
バレンタイン関係なく、普通にお菓子作りは好きだからね。
「良かった〜。さすがに初心者3人はキツイかなって思ってたんだよね!」
ピスティはこういうの得意そう。
初めてのモルジアナは楽しんでほしいなあ。