第5章 さよならの直前:マスルール
セリシアSIDE
「・・・。」
もう少しで、は?、と言ってしまいそうな内容だった。
王様の手前、そんなことは言わなかったけれどね?
「・・・あの、これっていつ届いたかわかりますか?」
「・・・わかるか?」
私が王様に、王様がジャーファルさんに聞く。
「おそらく3日ほど前かと・・・。もしかしたら、もっと前かもしれませんが。」
3日か・・・。
「で、どうする?」
おそらく、この先どうするか、を聞いたのだろう・・・。
だって、手紙に書いてあった内容は短くて軽く衝撃的な内容だった。
『お父さん元気です。医者が間違えて診断しただけで、ただの風邪でした☆でも久しぶりにセリシアに会いたいので、シンドリア王国に家族で行きます!バルバッドに帰ってきても家も誰もないからくるなよー。BY父
お父さんの手紙見ればわかるとうりだから、よろしくねー。住むところはこっちで探すから気にしなくていいわよ。BY母』
・・・どう対処すべき??
「お前が良ければ、もう一度働くか?これは俺の責任もあるし・・・。」
「・・・よろしいのですか?」
「ああ、もちろん。その方がいいだろ、な!マスルール!」
とつぜん話しかけられたマスルールさん。
けれど間は開かずに答えていた。
「そっスね。」
相変わらずの無愛想だったけど、なんかすっごい嬉しかった。
そうこうしてる間に、話はまとまった。
「じゃ、決定だな!」
「セリシアさんは、しばらくは前使っていた部屋を使ってください。このたびは、こちらの不始末、もうしわけありませんでした。」