第5章 さよならの直前:マスルール
マスルールSIDE
「お願いします!主人が・・・!助けてください!」
礼の声で聞き取っていなかった声がようやく聞こえた。
「何人ぐらいっすか。」
「わかりません・・・。」
自分たちが来ていた時にはもう、すでに人が海に落とされようとしていた。
つまり、来る前にもすでに落とされていたかもしれない。
その可能性を忘れていた。
「まずいわね・・・。もう時間がたってきてる。急がないと・・・」
死ぬのか。
セリシアが、死ぬ?
そんなこと・・・させてはいけない。
「俺が行きます。」
それしかない。
「お願い。私も魔法でサポートはする。」
急がなくてはならなかった。
水に飛び込み、探す。
見える範囲で、すでに5人はいた。
何人落ちているんだ、いったい・・・。
頼むから・・・死なないでくれ、セリシア。