第5章 さよならの直前:マスルール
セリシアSIDE
「・・・さて、これで全部かな。そろそろ行くよ。」
荷物を運び終えたなら、きっとそろそろ出向の時間だ。
遅れるわけにはいかないもの。
「・・・ありがとうございました、マスルールさん。」
恋させてくれてありがとう。
好きって言ってくれてありがとう。
ホントに好きでした。
「さよなら。」
行くしかないから。
これ以上迷惑はかけられない。
船に荷物も持ってかなくっちゃ。
「荷物、持ちますよ。」
「そんな、悪いで「最後くらい、いいでしょう。」」
珍しく頑固なマスルールさんに逆らえるわけもなかった。
「・・・じゃあ、お願いします。」