第5章 さよならの直前:マスルール
マスルールSIDE
驚くほど速く日にちはすぎるもんだな。
もう2日経った。
セリシアはすでに船に乗ったのだろうか。
「・・・。」
あれから一度もセリシアを見なかった。
さけられたのか偶然かはわからないが。
「ああ、こんなところにいたの、マスルール。」
ジャーファルさんだ。
「どうかしましたか。」
今日は一応朝議にもでた。
特に呼ぶ理由はないと思う。
「今人手が足りなくてね。ちょっと手伝ってほしいんだ。」
「はい。」
何の仕事かはしらないけど、力仕事なら手伝おうか。
「大丈夫、力仕事だよ。」
考えていたことを読み取ったのか、ジャーファルさんはこっちをみてそう言う。
「そっスか。」