第1章 梅干しの日:ジャーファル
「ってことで!料理長に梅干しもらってきました!!」
泣きそうだったのはなんだったのか・・・。
ぱっとどこからか梅干しの入った入れ物を出す。
「どうしてってことで、なんですか?」
「細かいことはともかく。はい、ジャーファルさん!」
そう言ってどこか幼さの残る笑顔でジャーファルに梅干しを渡す。
(その顔反則でしょう・・・!!)
内心ドキドキしっぱなしのジャーファル。
しょうがなく、梅干しを受け取って口に放り込む。
「種なしだから楽だよね。私も食べよーっと。」
そう言ってセリシアも食べる。
「ん~。」
酸っぱいらしく、顔をきゅっとする。
「これ、おいしいねぇ?」
「え、まあおいしいですけど。」
「もう一個あげようか?」
「いや、いいです!」
(そりゃおいしいけど、別にそんなたくさんいらない・・・。)