• テキストサイズ

【マギ】短編集(・・・多分。)

第5章 さよならの直前:マスルール


セリシアSIDE


「あの、マスルールさん?」

手を優しく、でも固く握られていた。
どう引いても全く動じないのは、彼がふぁなりすっていう強い人種・・・?だからなのかな。
それとも、私が弱いだけ?
・・・やっぱり、男性だから、かな?

「・・・。」

何も言わず、じっとこっちを見つめてくる。
まるで行くなっていうように。

「手・・・放してください。私、荷物の整理もしなきゃいけませんし。」

まだ一日あるけど、早いうちにやってしまいたいのだ。
帰らなきゃいけないっていうのを、感じるためにも。
この国には、心残りがありすぎる。
いい国すぎるんだよね。

「・・・。」

マスルールさんは、何も言わなかったけど、しばらくして手を放してくれた。

「今まで、ありがとうございました。」

そう言って礼をして、その場を立ち去る。
背を向けて、部屋に戻ろうと思う。
/ 69ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp