第4章 黙祷:ジャーファル
セリシアSIDE
そろそろ一分がたつ。
そうおもって顔をあげた。
「セリシア?どうしたんです?」
ま、普通そうなるよね。
ジャーファルにはなにもいってないんだから。
「ごめんなさい、迷惑かけましたよね?」
「いえ、かまいませんけど・・・。急にどうしたんです。」
「ちょっと、黙祷を。」
彼は知らないんだっけ?
「今日は・・・誰かの命日なのですか?」
「あ、いや・・・。まあ、そうともいえますか。」
「?」
「今日、この数分前の一分は、黙祷するって決めてたんです。去年はまだ忙しくてできませんでしたが・・・。」
二年前、私のいた国の未来が変わった。
平和な日々が、突然終わった。